NLPには前提とよばれる基本原則があります。
それはNLPの信念と言ってもよく、考え方、ガイドとなります。
NLPを学ぶ人の行動の基盤になります。
NLPでは、これらの基本原則が普遍的であり真実だと言っているのではありません。
真実であると想定し、あたかもそうであるかのように行動するためにNLPの前提はあります。
NLPの前提は一式の倫理原則なのです。
以下はNLPの前提です。
- 現実の体験の内容を変えるより、現実を体験するプロセスを変化させる能力の方が、価値があることが多いのです。
- コミュニケーションの意味は、受け取る反応にあります。
- 周りの環境や自分たちの行動に対して、人間が識別できることは全て、五感(視覚・聴覚・身体感覚・嗅覚・味覚)を通して、有効に表すことができます。
- 人が変化を起こすための必要なリソースは、既にその人の中にあります。
- 地図は領土(土地)ではありません。
- 人の肯定的な価値は一定です。その一方でその人の内側と(もしくは)外側の反応が、価値があり適切かどうかが問われるのです。
- すべての行動には、それを起こさせる肯定的な意図があります。また、すべての行動にはその価値を生かせる状況があります。
- フィードバックvs失敗ー与えられた仕事や状況に対して、それが望んだ結末であってもなくても、あらゆる結果と行動は、成功なのです。
現実の体験の内容を変えるより、現実を体験するプロセスを変化させる能力の方が、価値があることが多いのです。
現実の体験の内容を変えるとは、起こった出来事を変えるということです。考えれば分かりますが、これはとても難しいことです。
プロセスを変化させる能力とは、出来事の捉え方を変えると言う能力です。
こちらは、比較的変えることが容易です。
例えばプレゼンで失敗してしまったという場合、失敗したという出来事は変えられませんが、それをくよくよ考えるより、今度は失敗しないようにしようと、捉え方を変えることはできます。
ものの見方は、前向きに考えることが出来るのです。
ものごとの捉え方を変えると言うことは、その後の考え方や行動を変えるということです。
そのようにすれば、その人の未来も明るいものになっていくでしょう。
コミュニケーションの意味は、受け取る反応にあります。
コミュニケーションがうまくいかないのは、相手に責任があると決めつけていないでしょうか?
受け取れない相手が悪いと思っていませんか?
でも、NLPでは”コミュニケーションの意味は、受け取る反応にあります。”としています。
この意味は、コミュニケーションを成り立たせるのはあなた次第だということです。
相手が受け取った反応が全てだと言っているのです。
相手のせいにせず、自分のやり方を相手に合わせて変えていくことによりコミュニケーションを成り立たせることが大切だと言っています。
相手に自分の望むような反応を引き起こしたいのであれば、相手がその反応をしやすいように、自分のやり方を変えてみるというのも方法のひとつです。
周りの環境や自分たちの行動に対して、人間が識別できることは全て、五感(視覚・聴覚・身体感覚・嗅覚・味覚)を通して、有効に表すことができます。
今、あなたはパソコンの画面を見ています。それは視覚情報です。
そして、もしかしたら音楽をかけているかもしれません。その場合は聴覚を通して音楽を聴いています。
何かを口にしているのであれば、その味を味わっているかもしれません。それは味覚情報です。
そして、部屋の匂いに気づいているかもしれません。それは嗅覚の情報です。
そして、椅子に座っているお尻の感触に気づいているかもしれません。それは身体感覚の情報です。
このように、私たちが体験していることは五感の情報として有効に表すことができます。
私たちは、このように五感を通して情報を得て、それを脳内で言葉として意味付けしています。
意味付けされた情報から心の状態が作られます。
そして、感情や思考、行動や生理現象を決定します。
五感をどのように使うかによって感情や思考、行動や生理現象が変わります。
私たちの認識しているものは五感によって有効に表すことが出来るのです。
人が変化を起こすための必要なリソースは、既にその人の中にあります。
リソースは、日本語では資源と訳されます。
リソースには、能力、経験、知識、技術、お金、人脈などが含まれます。
それらは、自分にとって役立つもの全てです。
NLPでは変化を起こすために必要なものは全て、その人の中にあると考えます。
私たちは、変化を起こすために必要なものを外部から取り入れようとしますが、それもリソースのひとつです。
一見、負の資産に見えるものも、見方を変えたらリソースになるかもしれません。
リソースは、ありとあらゆるとことに存在します。
リソースがないのではなくて、リソースに気づいていないことも多いということを認識するとよいでしょう。
地図は領土(土地)ではありません。
地図とは、頭の中にある世界モデルのことです。
領土(土地)とは、現実の世界のことです。
地図は、道路のことを詳しく描いている道路地図や、電車の路線図、世界地図などがあります。
どれも、使い方によっては役に立つものです。
でも、それらの地図と現実の世界は大きく違っています。
地図は、役に立てるために現実から多くのものが削除されています。
私たちの世界モデルも、地図と現実が違うように、現実とは違っています。
世界モデルは、そのひとの役に立つように改良されています。
私たちは多くのことを体験しますが、それは、その人独自の世界モデルを通したものであり、現実そのものとは違うということを認識する必要があります。
人の肯定的な価値は一定です。その一方でその人の内側と(もしくは)外側の反応が、価値があり適切かどうかが問われるのです。
私たちは、元々価値を持っています。
その人がたとえ仕事でミスをしてしまってもそれは変わりません。
ただ、その人の行動や、心の状態が適切であるかどうかが問われます。
ミスを犯してしまったと、必要以上に落ち込むことはありません。
ミスを挽回する行動を起こせばよいのです。
内側の反応と外側の反応が適切でない場合、それを補正するツールがNLPには用意されています。
すべての行動には、それを起こさせる肯定的な意図があります。また、すべての行動にはその価値を生かせる状況があります。
私たちの取っている行動には、全て肯定的な意図があります。
例えば、寝坊する習慣がある人は、その寝坊することにより睡眠時間を多く取るという意図があるかもしれません。
また、締め切りギリギリまで仕事をする気にならないひとは、その状態になるまで自分の好きなことができるという利点があるかもしれません。
このように、私たちは無意識に取っている行動にも肯定的な意図があると考えると、自分への理解が深まるかもしれません。
私たちの無意識は、私たちのことを考えてくれています。
物事の全てには、無駄な行動のように見えても何か利点があるものです。
そして、それらは他の場面で生かせるかもしれません。
問題を起こすような行動だとしても、その場面では最善の選択だったということが言えるでしょう。
フィードバックvs失敗ー与えられた仕事や状況に対して、それが望んだ結末であってもなくても、あらゆる結果と行動は、成功なのです。
NLPでは、物事を失敗したというようには捉えません。
NLPでは、それが望んだ結末でなくても、それを失敗とは捉えずフィードバックを得たと捉えます。
変化を恐れる人の多くは、うまくいかなかった結果を失敗と捉え悲観します。
一方、変化を恐れない人は、うまくいかなかった結果もリソースとして次に生かします。
そういう人は失敗というレッテルを貼りません。
うまくいかなかった、失敗したというような出来事でも、それを失敗とは捉えずフィードバックと捉えることで、次に進むための道とすることができます。
コメント