言葉の策略パターン(その13)

言語

●反例。

Xではない、そしてYである。の形態を含む例を示します。

カウンセラー:出来ないことをひとつ言ってください。
クライアント:私は部屋を掃除できません。
カウンセラー:あなたが掃除をするとき、邪魔をするのは何ですか?
クライアント:私は何から何まで動かさなければなりません。
カウンセラー:そうですね、あなたがものを動かすことを、邪魔するのは何でしょう?
クライアント:やりたくないのです。
カウンセラー:つまり、あなたは、自分がやりたくないことは何も出来ない、と言っているのですか?もちろん、出来ますとも、あなたは汚い部屋には住んでいられるのですから。あなたは、それは出来るのですよ。

このやりとりが示す因果の関係は、好きならばできる。好きでなければ出来ないです。

人が何かを出来ないこととして話しているとき、それが過剰な一般化であることを知ってください。

そして、それが分かっていれば、反例として機能する何かを提供するために、どんな手順を活用すればいいのか具体的に分かります。

そうすれば、本人が出来ないと言っていること、あるいは、本人が疑いの余地なく実はすでにやっていることを出来るように加速することは可能です。

私はあることが出来ない、というタイプの制限を口に出すとき、実はその人は知覚された制限を憶測しているのです。

本人は、私は今、このような困難を抱えている、と思い、それがあるから、何事かを起こす妨げになると言います。

本人が行きたがっている方向が本人にとっていかに不可能か、とその人が記述するときは常に、そこから逆戻りしてください。

認知的な意味で、あなたは、本人が通常向かない方向へと道筋をつけるのです。

記憶を逆に辿るとき、私たちは、それまでと違うやり方で体験を秩序立てます。

そのようにして、記憶を逆から見てみると、体験の要素が再秩序化されるのです。

すると意味が変わります。

あなたはそこで、本人が記憶の内容物を観察する時空間を切り替えるように促しているのです。

あることに対してこれまでとは反対の見方をしているとき、そのことに対する応答が変わります。

ですから、前に進んだときには、これまでとは違った方向に向いているのです。

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