アンカリングの本質(その3)

アンカー

あなたは、赤信号を見ると記憶されているなんらかの体験にアクセスします。

それがあなたに、赤い信号は何を意味するのかを教えてくれます。

その意味がアンカーです。

赤い信号は、ブレーキを踏むのかという決定を下すための、あなたの注目をシフトするきっかけです。

ここで、現時点から交差点までの距離、ブレーキの調子、交通事情などが観察され、行動が決定されます。

赤い信号から連想される意味や、さまざまな機能、何をやるかの検討などは、全てアンカリングのプロセスによって学習された現象です。

一般にアンカーは、そのアンカーが機能する状況外であれば、それ自体に本来的な意味があるのではありません。

自宅でのんびりとしているときに誰かが赤い信号を点滅して見せても、あなたはブレーキを踏むために足を動かしたりはしないでしょう。

その一方、状況が変わっても同じような意味を持つ普遍的なアンカーもあります。

電話の音や目覚まし時計の音などがそれにあたります。

アンカーは全ての感覚システムで発生します。

例えば、昔聞いた音楽、好きな色、好きな食べ物の味、花の香り、どんな体験にも、全ての感覚的構成要素があります。

これらの、なんらかの体験に引き戻す傾向を持つ構成要素は、どれもアンカーです。

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