ミルトン・モデルの活用(その2)

ミルトン・モデル

無意識のリソースを手に入れる

ミルトン・モデルは命令とは思われないようにすることが大切です。

それは、無意識のリソースを自分自身で手に入れるのを助けるためです。

クライアントが、自分自身でどのように選択するかを決めることを促します。

ミルトン・モデルは、クライアントに多くの選択肢を与えるように出来ています。

<対話的要請>

これは相手に「はい」「いいえ」で答えてもらえるような質問です。しかし意識のもっと深い段階においては命令と解釈されるものです。相手に反応する選択肢を与えます。

「あなたは、今何時だか知っていますか?」

「あなたは、眠くなってきましたか?」

「あなたはどのように仕事するか分かりますか?」

<付加疑問>

付加疑問は、相手に同意してもらえるように自分の意見をいった後に付けられる文章です。

「それは難しかったですね(そうではありませんか)?」

「ミルトン・モデルは興味深いですね(そうではありませんか)?」

「あなたは眠くなってきたみたいですね(そうではないですか)?」

また、付加疑問は意識を混乱させ相手を異なる時制に仕向けることもできます。

「あなたは催眠に掛かったことがありますね。そうではないですか?」

「あなたは成功しますね。そうではありませんか?」

<埋め込まれた質問>

これは、相手が答えても答えなくてもよい質問です。相手は相手の内部で質問が直接尋ねられたかのように反応します。

「あなたは、あなたが何に心地よくなっているのかを知っているのではと私は思うのです」

「あなたが何か仕事で成功したときがいつだったか、あなたが私に教えてくれるかどうか、私にはわかりません」

<埋め込まれた命令>

これは、相手に伝える文章に命令を埋め込む方法です。

「あなたは眠たくなるだろうか、そうでないかは、私にはわかりません」

「あなたは真摯な姿勢で取り組むとよいと思っています」

埋め込まれた質問や、埋め込まれた命令を有効にするために、文のその箇所を際立たせることが必要です。このために使うテクニックが”アナログ・マーキング”です。

このアナログ・マーキングを使って、埋め込まれた質問や命令を明らかにしていきます。

アナログ・マーキングには下記の方法があります。

  • 際立たせたい箇所で、あなたの声を大きくするか、または和らげる。
  • 際立たせたい箇所を話した後に少し間を置く。
  • 声の調子を変える。
  • 際立たせたい箇所を引き延ばすか、または縮める。
  • 命令の終わりで声の調子を落とす。
  • 質問の最後で声の調子を上げる。
  • 際立たせたい箇所でジェスチャーを入れる。

<引用>

引用は、自分の意見ではなく、誰か他の人のいったことのように伝える方法です。

「ミルトン・エリクソンは、誰でも催眠に入れると言ったものでした」

「昔、私の先生が、郷には入れば郷に従えと言っていました」

<メタファー>

メタファーは、リソースを手に入れる優れた方法です。

ミルトン・エリクソンは、メタファーによって問題解決の鍵を語ることがとても上手でした。

ミルトン・モデルにおけるメタファーの語りには色々ありますが、その中でも単純な方法として”制限の違反”と呼ばれるものがあります。

「機械のように正確な動きだね」

「壁に耳あり障子に目あり」

「時間の進みが亀のように遅い」

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