12)両極性の課題。
A)否定の使用。
適切に使用すれば否定は効果的かつ強力なコミュニケーションの道具となります。
否定を使って有益な結果を引き出すことが出来るのです。
否定は、言葉の中にのみに存在し、体験の中には存在しません。
何故なら無意識の世界にあるのは体験のみで、否定は存在しないからです。
例えば、次のような否定語を使ったとします。
「空を飛ぶピンクの象を想像しないでください」
この否定語を処理するためには、まず最初にそれを表象した後で否定しなくてはなりません。
どんな暗示でも、冒頭に否定をあげることにより、暗示された行動が起こしやすくなります。
先ほどの例では、あなたは空を飛ぶピンクの象について考えやすくなるのです。
もし誰かが、「私の邪魔をするな」と言ったとすると、あなたの邪魔になるような行動が繰り返されることになります。
否定語を使うことにより、効果的なコミュニケーションを邪魔したり、望まれないような反応を引き起こしたりしまうこともあるので、否定を効果的に使う方法を練習するのは大切なことです。
例えば、「リラックスしてください」という問いかけに対して、「私はリラックスすることが出来ない」と返したとします。
このような場合、「どんどん増していくリラックスした感覚や、居心地の良さを今すぐ、またはあまり急激には感じて欲しくないのです」という風に対応することが出来ます。
この対応は、相手が「どんどん増していくリラックスした感覚や、居心地の良さ」を将来のある時点で体験することを前提としているのです。
誰かが何か心地の良いことをしているところを視覚してから、自分自身に対してそれは良くないことだと伝えるとき、ひとつの思考内容から別の思考へとシフトするのがはっきりと分かります。
もうひとつの両極反応を識別する方法は、行動をくつがえすような振る舞いや発言をする場合です。
「はい、でも・・・」などは古典的な例です。
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